DQ6 自己紹介







イザ「どうもこんにちは、イザと言います。」
バーバラ「バーバラでーっす♪」
チャモロ「ゲントのチャモロと申します。」
ハッサン「おれぁ、サンマリーノのハッサン、って言うんだ。旅の武道家だっ!」
テリー「まだあきらめてなかったのか、お前。」
ミレーユ「こぉら、テリー? ちゃんと自己紹介をしなくちゃだめでしょ?
 私は、ミレーユ。こちらは、弟のテリーです。」
テリー「……ふん。」
ハッサン「たく、ひねくれてるよな……お前。」
バーバラ「見てくれだけは格好いいのにね。」
ミレーユ「しょうがないわね、まったく。」
イザ「──ミレーユがそうやってかまっちゃうから、余計にそうなるんじゃないのかな?」
ミレーユ「あら、そうかしら? でも、イザの所の妹さんは、とても素直で可愛らしいわ。」
バーバラ「えっ、ミレーユったら、テリーに可愛らしさを求めているの!?」
ミレーユ「あら、そうは言うけどこの子だって小さいころは………………。
 ………………今ほどキザじゃなかっただけで、そんなに変わりなかったわねぇ、そう言えば。」
チャモロ「そうなんですか。」
ハッサン「いや、今ミレーユは、あからさまに視線をそらしたな。」
イザ「うん、だってテリーがすごい顔でにらんでたからね。
 でも俺も、ミレーユの小さいころの話って聞いてみたいな。」
バーバラ「ははーん、イザったら、怪しいの〜v」
ハッサン「おいっ、イザ、お前まさか……っ。」
テリー「…………イザ…………覚悟はできているんだろうな?」
イザ「っておいおい、変に勘ぐるのはよしてよ、頼むから。
 バーバラの小さいころの話なんていうのは、バーバラが記憶が戻ったとたん、みんなでずーっと聞き続けてたろ?」
バーバラ「だーって思い出せたことがうれしかったんだもの。」
ミレーユ「そうね、たくさんブボール様のことも聞かせいただいて、こっちも楽しかったわ。」
ハッサン「いろいろお前の記憶を疑うこともあったけどな。」
バーバラ「なぁによ、それは?」
チャモロ「まぁまぁ、お二人とも。
 そういえばそうですよね、ハッサンのことも、私もバーバラさんも聞かせてもらいましたけど──。」
イザ「うん、俺のことは、合体したときに話したし。
 ……考えてみれば、俺、ミレーユのこと何も知らないんだなぁ、て思ってさ。
 昔……初めて会ったときも、結局ミレーユは、俺とハッサンのことを聞くばかりだったし。」
ミレーユ「…………………………──────────。」
テリー「いいんじゃないのか、そんな過去のことをほじくり返すのは?
 姉さんは姉さんだ、今の姉さんが目の前に居る──それで十分だと思うが?
 それとも、あんたらは人の過去の傷を掘り返すのが趣味だとでも?」
ミレーユ「テリー!」
テリー「………………。」
バーバラ「だっ、誰もそんなこと言ってないじゃないの! イザは、ただ──ミレーユとテリーの二人だけで隠し事をしているようなことに、嫉妬しているだけなのよ!?」
イザ「バーバラ…………それ、何のフォローにもなかってないから。」
バーバラ「え……そう?」
チャモロ「ええ、そうです。」
ハッサン「そうだな。」
イザ「──ミレーユとテリーが、言いたくないんならいいんだ。俺も別に、傷とか……過去を知りたいわけじゃなくって。
 ただ──その、せっかくだから、この機会にいろいろ聞いてみたいな、って思っただけだし。
 ……二人がそれを傷に思っているのなら、何かできないかな、って思っただけで──ああ、やっぱりタダの自己満足だな…………。」
テリー「まったくだな。」
ミレーユ「ううん、違うのよ、テリー。
 それから、ごめんなさい、みんな。
 私はただ、今までずっと……話すのが怖かっただけなの。」
テリー「姉さん……。」
ミレーユ「もし話して──まだ私の中に憎しみが残っていたら、どうしようと…………そう、怖かっただけなの。」
テリー「…………俺はまだ、許せたわけじゃない。」
ミレーユ「テリー…………それでも私は…………ガンディーノに行けたわ。
 あの中に入って、見て回って……宿でとまることもできたわ。」
イザ「…………ガン……ディーノ……?」
バーバラ「っていうと、王様が結構格好良い国よね♪」
ハッサン「お前、ソレばっかりだな、覚えてるの。」
バーバラ「一番ヒットだった人が、実はイザの母親だったってこともショックだったわー。」
チャモロ「えっ、そうなんですかっ!?」
バーバラ「そうなのよー。」
ハッサン「…………お前結局さ、金髪だったら誰でもいいんじゃ…………?」
バーバラ「失礼ねっ! それなら、とっくの昔にミレーユで手を打ってるわっ!」
チャモロ「えぇぇぇっ! お、女でも行けるんですか、バーバラさんっ!?」
テリー「こいつら…………。」
ミレーユ「ねぇ、ほら、テリー? 案外なんでもないことなのよ?
 怖かったお城も、バーバラがそうやって別の認識に変えてくれた。
 ギンドロ組も、もう今は老いて崩れるばかり。」
テリー「…………………………。」
ミレーユ「あとは、なんでもないことのように話せれば、きっと私たちは過去から開放される。
 そういうことなんだと、そう……思うわ。」
テリー「俺は…………姉さんが行ってしまうのを、止めることができなかった………………。」
ミレーユ「私は、あなたが泣いて叫ぶのを、幸せに暮らせとそう叫び返すことができなかった。」
テリー「──……だから……っ。」
ミレーユ「でもね……あの時があったから、私はイザとハッサンに出会うことができたと思うの。
 そのおかげで私は──今、とても幸せよ。」
イザ「ミレーユ──……。」
ハッサン「ミレーユ! 俺に任せてくれっ! お前は、この俺が幸せにして……っ!」
ごんっ、がんっ!!
テリー「何をさりげに人の姉貴を口説いてやがるんだ、お前は……っ!」
チャモロ「だ、大丈夫ですか、ハッサン? 今ホイミを……て、あれ? たんこぶが二個?」
バーバラ「まったく、ハッサンったら、ここは自己紹介の場だって言うのに!」
ミレーユ「くすくす……でも、ありがとうみんな。」
イザ「──ん、こほん。で、えーっと……これでみんな、自己紹介は終わったのかな?」
ハッサン「俺の一大告白……くそっ、テリー、二発も殴るなよな、お前はっ!」
テリー「は? 俺は殴ってないぞ?」
バーバラ「あたしも殴ってないわよ??」
イザ「………………で、それじゃ、ここらでお開きにしようか。」
チャモロ「ホイミ……っと、はい、ハッサン、治療を終えましたよ。」
ハッサン「おお、サンキュ。」
ミレーユ「もう、テリーったら! ダメでしょ、突然殴ったりなんかしちゃ。」
テリー「あれは突っ込みっていうんだ。」
バーバラ「なるほどーっ!」
ハッサン「ドッチも一緒だろっ! 痛いんだぞ、こっちはっ!」
チャモロ「2人とも、お笑い師になったら、すごく儲かりそうなすごいタイミングでしたよねー。」
ミレーユ「あら、いいわね、それ、楽しそうで。
 わたしも突っ込み役してもいいかしら?」
イザ「──いや、あのさ、みんな、そろそろお開きに……しようよ、頼むから。」




こっそり主ミレ(笑)