階下から聞こえる喧騒も遠く、パタン、と後ろ手にドアを閉じた瞬間、体中に疲れが滲み出た気がして、フラフラとベッドに歩み寄った。
ピシリと皺一つないシーツに向かって歩きながら、乱暴でありながら慣れた手つきで、身に付けていた鎧のつなぎ目を解いていく。
鎧をガランと床の上に打ち捨てて歩きながら、リラはフラフラとベッドの上に、ばふん、と倒れこんだ。
脚だけをベッドの外に放り出して、リラはころりと仰向けになった。
見慣れてない天井──見慣れ続けた天井は、もうこの世のどこにも存在しないから、どの天井も同じように見える。
でも、確実に、初めて見る天井だ。
「──……疲れたぁ。」
小さく呟くと、背中からどっしりとシーツの中に落ちていくようだった。
ふぅ、と零した吐息が、静かな部屋の中に響いた。
リラは、ぼんやりと天井を見つめた。
目を閉じたら、そのまま寝ていきそうだ。
でも、その前に、ブーツ、脱がないと。
それに、せっかくの宿なんだから、きちんとお風呂に入って、それから。
「──寝巻きに着替えて、ゆっくりと寝ないと、クリフトに怒られるぅー。」
何せ、パーティのお兄さん役であるクリフトは、彼の最愛の姫君の面倒を見ることに慣れているせいか、アリーナと同い年であるリラにも、しょっちゅう同じように目をかけてくれる。
そのクリフトが、アリーナには言わないけれど、リラには口をすっぱくして言う台詞というのが、これ、だった。
鎧姿やレオタード姿で、そのまま寝ようとすると、「それでは体が休まらないですよ!」と、目を吊り上げて怒ってくるのだ。
だから、着替えないと。
そう思うのだけど──ばふ、とひっくり返って、顔を布団に埋める。
心地よい感覚に、そのまま意識が沈没していく。
フルフルと力ない仕草で、必死に睡魔に抵抗する。
けれど、疲れた体には、そんな些細な抵抗はまるで意味がなかった。
眠い、と、小さく呟いて、リラはそのまま意識を飛ばそうとした。
その、ほんの、一瞬。
パシィン……と、不意に瞼の裏に浮かび上がった、面影があった。
「…………っ!!!!」
がばっ! と、思い切り良くリラは体を起こす。
一瞬で眠気も吹き飛んだ。
目を丸くさせて、白い頬を上気させて、リラはドキドキと胸を抑えながら、バクバク言う心臓に、キリリと唇を噛み締めた。
「なっ、な──なんで、あんな男が……っ。」
一人部屋な事実に、ホッと胸を撫で下ろしながら、リラは体を起こした。
ブーツを履いたままの脚を、ベッドの外に放り出していたままだったので、体を起こすと、そのままベッドに腰掛ける形になる。
「──っていうか、どうして、アイツが浮かんで、あたし、こんなに焦ってるの……?」
情けなく眉を落として、リラは細い溜息を、一つ。
必死に落ち着こうとすると、脳裏に浮かんだ銀の面影は、うっすらと薄らいだ。
代わりに、呪文のように呟く。
「マーニャ、ミネア、トルネコさんにブライさんにアリーナにクリフトっ。
それから、ライアンさんにネネさんに、ルーシアにドランっ。」
故意的に、銀の面影以外の親しい人物を羅列する。
そうしていると、それぞれの顔が浮かび上がって、今日の昼食のときのことや、宿の部屋割りを決めた時のことなどが次々に浮かんできた。
そうしていると、なんだか、ようやく、面影が消えてしまった気がして。
「──うん、よし。」
リラがそう──呟いた瞬間だった。
コンコン。
「……あ、もしかして、夕食のお誘いかな。」
ノックが鳴った瞬間、リラはマーニャたちに違いないと見当をつける。
そのまま身を起こし、早く着替えないとと、視線を、放り出されたままの鎧に向けた瞬間、
「──わたしだ。」
「…………っ。」
びくん、と……体が震えた。
一瞬、喉が引き攣って──リラは、ゴクリ、と喉を鳴らす。
「………………開いてるわ。」
硬質な響きを宿す声だと、リラ自身も思った。
けれど、それ以外の声を、彼に持つことはない。
──持てない、から。
カチャリ、とノブが回るのを、硬い表情でリラは見つめた。
どくん、と一つ大きく鼓動を打つ間に、扉は開いた。
そして。
揺れる銀の髪が囲う白い肌が、壮絶なまでの美貌をクッキリと鮮明に映えさせる。
一瞬息を呑んだのもつかの間、
「……ピサロ……何の用なの?」
ベッドの上に腰掛けたまま、リラは彼を見上げた。
その表情にも、声にも、先ほどまで見せていた感情の色は見当たらなかった。
彼女が、彼に接するときにだけ浮かべる──「勇者」としての、顔。
「明日の話だ。」
「明日……? それは、夕飯の後に話すって言ってあったはずだけど──まさか、またバッくれるつもりかしら?」
ピサロに対しているときは、いつもマーニャの口調が乗り移る気がする。
そんな能天気なことを頭の片隅で考えながら、部屋の中に入ってきた男をジロリと睨み上げる。
ピサロは、後ろ手に扉を少しの隙間を残して閉じた。
そんな、彼の自然な仕草に、「慣れ」を感じた。
「ロザリーが体調を崩しているのはお前も知っているだろう?」
「えぇ、知っているわ。」
やっぱりそうだと思った。
そんな思いを込めて、リラは静かにピサロを見上げた。
彼が自分の下にやってくるのは、いつも「ロザリー」関係だ。
「もしかして、しばらく移動は出来ないくらい、酷いの?」
少し表情を曇らせて、リラは目線を落とす。
もともと小さな塔の中で、長い間閉じこもりきりの暮らしをしていたロザリーは、体が強いわけではない。
旅なれたリラたちは、つい自分たちのペースで旅をしてしまうが、それがロザリーに酷く負担を感じさせていたのは、リラも気づいている。
けれど、ペースを落とそうとすると、ロザリーがそれを嫌い、大丈夫だと言い張る。
だから、なるべく休憩を大目に取るように心がけてはいたが──最近、それでもロザリーの体調が悪そうなのには、リラも気になっていた。
「いや──酷いというよりも。」
一瞬眉を寄せたピサロは、ス、と目を細めて──、
「…………心当たりが三ヶ月ほど。」
小さく、呟いた。
いつものように感情のこもってい声で告げられた台詞は、しかしけれど、明確な意図が含まれているようには感じ取れない。
「──は? 何が?」
ワケがわからないと眉を寄せて、リラは三ヶ月? と口の中で繰り返す。
三ヶ月という数字で思い出すのは、ロザリーが蘇ってからの月日だ。
「心当たりって──ロザリーの体調が悪いのは、ココ数日の野宿が原因じゃないの?
とりあえず、しばらくはこの町に逗留するようにはするつもりだけど……。」
蘇った月日が経過するほど、体調が悪くなるということは、ないと思うのだけど──そんな不安を表情に表せるリラに、は、と短くピサロは吐き捨てるように息をついた。
「鈍い女だな、お前は。」
「──……ロザリーの体調の悪さには、気づいていたわよ……。」
ジロリ、とピサロを睨み上げると、彼はさらに苦笑を刻み込んだ。
「直接言わないと、わからないか。」
カツン、と脚を踏み出されて、リラは軽く眉を寄せた。
「だから、ロザリーの不調には気づいていたと、言っているでしょう?
──けど、多少の不調なら、申し訳ないけれど、私たちにも合わせてもらわないと……。」
困る、から。
そう言いかけて……その台詞が、ひどく自分勝手なような気がして、リラは、キリ、と唇を噛み締める。
リーダーとしての顔、発言。
それは、間違ってはいないと思う。
特に彼の前では──この顔を、この発言を、崩してはいけないと、思う。
なのに。
彼の前でこの顔であることが、ひどく苦痛だと──そう思いもするのだ。
「バカな女は、だから嫌いだ。」
キッパリと告げて、誰がバカな女だと、リラが立ち上がろうとするよりも先に。
正面から、風が、吹いた。
「──……っ。」
一瞬で間合いに入られたと悟った瞬間、悔しさを感じると同時に、思わず体が臨戦態勢に入りかけた。
けれど、それよりも早く。
ファサ……。
まるで羽が埋もれるような、軽い音を立てて、ベッドが沈む。
ロザリーの体調を考えて、上質の宿を選んだのは正解だったのだろう。
心地よいスプリングは、しっかりとリラの全身を受け止めてくれた。
見えていた光景が、先ほどと違う。
自分が、ピサロによってベッドの上に倒されたのだと理解したのは、早かった。
しまった、とリラが臍を噛むよりも早く。
「いくら『天空の乙女』とは言え、さすがにガキすぎるだろう?」
目を見開き、目の前を凝視するリラを見据えて──ピサロは、冷ややかな笑みを唇に浮かべた。
キシ、と、小さくスプリングが音を立てる。
くしゃりと皺が寄る白いシーツ。
無防備にベッドの上に倒れこむ形になったリラの上に、ピサロが乗り上げる。
さらり、と上から零れてきた銀色の髪が、白い頬を撫でた。
くすぐったいような、どこかがジンと痺れる感覚に、ゾクリと背筋が震えた。
その震えに、背中の真下のスプリングが、軽い揺れで答える。
「男と女が同じ部屋に居たら──何が起きるのかくらいは、知っているのか?
勇者殿?」
からかうような口調に……熱が、入っている。
リラは目を見開き、くれないの瞳を凝視する。
血の色の瞳。
薄く影を落とす銀色の睫。
怖いほど整った容貌には、酷薄な──けれど、どこか色を含んだ笑みが浮かべられている。
その、意味を。
「…………ど……して………………。」
ようやく、気づいて。
リラは、指先をわななかせ、シーツを手繰り寄せる。
掴み取れるほど皺ができないシーツに、苛立ちと──言い知れない恐怖にも似た感情を抱いて、リラは顔をゆがめた。
ゴクリ、と喉を一度鳴らせて、リラは怖いくらいに震える心を必死で押し隠す。
「イヤがらせをするのが目的だというなら……あたしも遠慮はしないわよ……っ。」
リラは虚勢以外の何者でもない態度で、ギッ、と目の前の──自分に覆い被さる男をにらみつけた。
ほんの一瞬の間に間合いを取られたという事実が、今更ながらに思い出させられる。
こうして睨み上げていても、彼に隙らしい隙は見当たらない。
遠慮はしないとは言ったが──とてもではないが、肉体戦で勝てるような相手ではない。
しかもこのような不利な体制からは、勝ち目は薄い。
「イヤがらせ?
──相手が喜んでいても、イヤがらせになるのか?」
「──……っ、なっ、誰が……っ!」
整った指先が、リラの唇をなぞる。
その指に噛み付いてやろうと、歯を剥き出しにするリラのその口の中へ、あえてピサロは指を突っ込んだ。
「んぐ……っ。」
小さく声をあげて、リラは口の中に入り込んだ異物と、その異物のぬくもり──更に、人の指の味に、リラは眉を強く引き絞った。
吐き出そうと、手を掲げ、ピサロの手首をつかみとる。
けれど、彼はそれを一瞥しただけで、特にそれに反応はしなかった。
どれほど戦いなれた戦士の握力であろうとも、魔族の王にとっては、ただの女の力に過ぎなかったから。
それが、悔しくて……彼がそう思っている事実が悔しくて、リラは苦しさに目じりに涙を浮かべながら、喉の奥にまで侵入してこようとする指を、舌で押し返す。
そうしながら、ジリと脚をずらし、彼の腹めがけて膝蹴りを繰り出そうとするが。
「男にこうされたことは無いか。」
ギリ、と──口に入った指とは別の指で、両頬を掴み取られる。
同時に、ピサロの脚がリラの太ももの上に圧し掛かる。
「あ……ぐぅぅ……っ。」
ズキン、と圧し掛かる圧力を感じて、リラは苦しげに喉で唸りをあげた。
その歪んだ顔に、ピサロは目を細めて──顔を近づけて、リラの耳元に優しく囁く。
「この状況で、どうすれば男に抗えるか──わからないんだろう?」
シャラリと揺れた髪が、彼女の顔に、覆い被さる。
視界一杯に見えるのは、陶器のように美しい白い肌と、銀色の髪。銀色の睫。血の色の瞳。
目を奪われるほど魅力的な、魔王陛下その人。
「…………っ。」
イヤだ、と。
心の奥底から、思った。
この状態は、ひどくイヤだ。
「や……っ。」
ゆるく、かぶりを振る。
恐怖にか、嫌悪にか、わからないまま、リラはシーツに頭を擦り付けるようにして、かぶりを振った。
ズリ、と、シーツをずり上がろうとするのに、シーツに寄った皺が深くなるばかりで、ピサロに押さえつけられた体は言うことを聞かない。
両足の上に、ピサロの片膝が圧し掛かっている。
ただそれだけなのに、息苦しくて息が出来ない。
なぜ。
どうして。
「──ど……っ、し…………っ。」
ゆるくかぶりを振って──その拍子に、ピサロの指先が唇から出た。
とろり、と糸を引く唾液に、一瞬頭が真っ白になった。
「──離して……っ!!」
ピサロの手を掴んでいた両腕で、ドンッ、と彼の胸を打ち据える。
普通のモンスターなら、それだけで吹っ飛ぶような衝撃だったけれども、ピサロは軽く肩を揺らしただけだった。
ただ、それ以上何かをするわけでもなく、己の指先についた彼女の唾液を見つめた。
つぅ──と滴るそれに、不意に唇を寄せて、それを唇で掬い受ける。
「──……っ!!」
目の前で、それを目撃したリラは、いたたまれない気持ちと、たとえようのない羞恥に狩られて、カァッと頬に朱を走らせた。
一瞬、ドクリ、と胸が強く高鳴ったことを、必死に覆い隠し、見なかったふりをして、キッ、とピサロを睨みつける。
人差し指についたトロリとした液体を舐め終えて、ピサロは、視線を流し──まだ己の下に組み敷かれたままの女を見下ろす。
戦士であり魔法師である「勇者」は、戦場に居るときのように強い光を宿して、自分を睨みつけていた。
自分の体を突っぱねている少女の体は、こうして無理に押さえつけていても、先ほどから筋肉が躍動しているのを感じた。
少しでも隙が見当たるようなら、すぐにでも突っぱねるつもりなのだろう。
けれど、ピサロは色事に不得手な──言い換えれば、まるで縁のない生活を送ってきたような娘相手に、遅れをとることなどない。
からかうように腕を緩めてやっても良かったけれど、ギシリ、とわざとらしく音を立てて、彼女の左頬の横についた右腕に体重をかけて彼女を見下ろした先。
女の唇が、濡れていた。
まるで、激しい口付けを交わした後のようだと、そう思うと同時、誘われるように顔を傾けた。
睨み付ける彼女の目が大きく見開かれ、イヤだというように顔がズレ──それを許さず、左指で顎を捕らえた。
「ピサロ……っ!」
それでも必死で逃げようと、悲鳴をあげる娘を。
強引に、捕らえる。
「ん……っ!」
ヒジが、カクリと折れる。
そのままシーツに押し付けられて、彼の膝がリラの膝を割り、シーツに体重がかけられた。
体重をかけられて、圧迫された苦しさに、リラが唇を割る──その隙間から、混乱するほどの感覚が入り込んできて……ただ、怖くて。
「んん……んっ、──っ!!」
体を震わせて、必死でリラは目の前の男を押し返そうとした。
けれど、ビクともしない。
割られた膝の間にある男の脚が生々しく感じて、リラは背筋を駆け上がる恐怖に、瞳を歪める。
「や──……っ。」
何かわからなくて、わからないままに、恐怖に体が勝手に熱くなり始める。
それが、何の感覚なのかわかって──ここは宿なのだと、必死に押し殺そうとするが、それも敵わない。
息があがる。
頭の中で、白い光が明滅を繰り返す。
シーツに押し付けられた髪が、ふわり、と浮いた。
バチバチ、と目に見えて火花が散り、彼女の白い肌が帯電を始める。
「──……っ!!」
彼の胸元を押し返していた手で、小さく拳を握り、ドンッ、と彼の胸を叩く。
それでも止まない暴力に、リラの目じりから涙がこぼれ──その涙が、バチバチと小さな光をいくつも発した。
堪えきれず──手の平が拳を開き、瞳を開いて、彼女は、視界いっぱいに広がる男の顔に……。
「………………………………。」
バチ、と、小さく……火花の音がした。
どこからどこまでが、自分で相手なのか、その境界線の区別もわからないほど、「ひとつ」だったと──そう思う。
けれど、離れてしまえば、もう何も感じない。
触れていた唇は熱くて、蹂躙していたとしか思えない舌は、それでも優しさを含んでいたような気がする。
けど。
あれは、私の、ものじゃ、ない。
「………………落ち着け…………落ち着け、リラ…………。」
冷静に、冷静に。
自分の指先を見つめながら、呟く。
落ち着け。
思い出して、体の芯が熱くうずくような感覚を覚えるのは、怖いと思ったからだ。
あの行為が恐ろしくて、怖いと、心から思ったからだ。
だから、あの時だって、ライデインが自然と出かけていたじゃないか。
ただ、アレが出なかったのは。
それを感じ取ったかのように、あの男が、体を離したからで。
「…………落ち着け、リラ。」
それを、残念だと思ったなんてことは、絶対に、ありえない。
ただの気の迷いだ。
だって、彼は。
「────……落ち着け、リラ………………。」
キュ、と、体を抱きしめて、リラはベッドの上で、呟き続ける。
だって、彼は──あのまま、何もなかったかのように、薄く開いていた扉を開けて、出て行ったじゃないか。
悪いとも何も言わず──出て行ったじゃないか。
ただ、扉をくぐるときに一言。
「ロザリーの不調の原因が『それ』であるかどうか判明するまでは、ココに滞在することを望む。」
そう──残酷な言葉を、残して。
いいえ、いいえ。
ソノ言葉を、「残酷」だなんて思っては、いけないのよ、リラ。
だって、それじゃぁ……。
「まるで私が、恋をしているみたいじゃないの…………っ。」
常にシリアスな展開をぶち破るあとがきにようこそ〜。
えー……最後まで行ってしまおうか悩んだのですが、止めておきました。
ということで、基本はピサロ様二股、鬼畜、無理矢理系ですねっ!
──いや、そういうのが書きたいわけじゃぁ……(汗)。
やっぱりピサロ様は、百戦錬磨じゃないとダメですね、萌えません。
そして、中でちょっぴりv 怪しい台詞が飛んでますが、三ヶ月目かしらね〜、いや、どうかしらね〜…………、多分、居ないと思います(笑)。
でも、こっそりと、だんだんと目立つおなかの膨らみに、複雑な気持ちのリラというのも、いいかなぁ、とか……いや、だが女性の身としては、妊婦さんの妻が居るのに他の女に浮気する男は許せませんっ! ダメですよ、ピサロ様っ!(←落ち着け、帰って来い)
どうでもいいですが、うちのピサロ様、こらえ性がないですね。百戦錬磨の癖に、扉を少し開けているくせに、何を押し倒しているんですか。
イヤ、最初はからかうつもりだったんだけど、なんかいつもは凛々しく立ち回っている娘が、華奢な事実にフラリときたんですね。
さらに言えば、うちのピサロは基本的に、「女勇者が自分に惚れている事実」を、知ってます(笑)。同時に、そんな自分自身を嫌悪しているということも。