レックナート「これは、ちょっとした手段を使って手に入れた『台本』というものです。」
ルック「……ただの台本のように見えますけど?」
スイ「どれどれ? あ、ホントだ。…………げっ、解放軍のことを演目にしたヤツもあるじゃないか。」
リオ「あーっ、これ、ネクロードの話じゃない! どうしてこんなものが……?」
レックナート「入手経路については、秘密です──あえて言うなら、ビッキーが手伝ってくれたと、そう例えましょうか。」
ルック「ああ、あのボケ娘。」
スイ「ああ、時をかける少女。」
リオ「え? ????」
レックナート「……今回、皆さんを呼んだのは他でもありません。
実は、この台本を演じてほしいのです。」
スイ「え? って言うと、ルックがヒロインで?」
ルック「ふざけたことを言うと、ここから叩き落すよ、スイ?」
スイ「ルックも一緒なら、それでもいいけど?」
リオ「えーっと……でも、演じるって……僕ら、演劇なんてわからないし────。」
レックナート「この台本を演じたとき、何かが起きるのです………………。」
ルック「何かが?」
レックナート「ええ、ですから──皆さんに、この台本を演じてほしいのです。
頼まれて……くれますね?」
スイ「……面倒ですけど、何が起きるのかは気になるところですしね──……うん、まかせたよ、リオ。」
リオ「え? まかせ……って…………僕、ですか?」
スイ「やだなぁ──、今、同盟軍を率いていて、多くの仲間に恵まれているのはリオじゃないか。リオの説得に、誰もが応じてくれるさ。
ねぇ、ルック?」
ルック「………………………………スイ………………キミね…………。」
レックナート「ルック──あなたも、力を貸してあげなさい。」
ルック「え……っ、僕も、ですか……?」
スイ「がんばれ、ルック。キミなら、拍手喝采を浴びるヒロインになるのも、夢じゃないよ!」
リオ「──よ、よし! それじゃ、スイさんっ! スイさんが協力してくれるんですから、僕も一生懸命頑張りますね!」
スイ「…………え? いや、誰も強力するなんて言ってないけど……?
ルック「あきらめることだね……。」
リオ「それじゃ、今から戻って、早く演劇の準備をしないとね!」
台本1、台本2、台本3、台本4、台本5、台本6を手に入れた!
リオ「えーっと……それじゃ、台本と、劇に参加協力をしてくれる人を選ばないとなー……。」
ナナミ「いいじゃない! 全部やっちゃえば。」
リオ「えっ、全部!?」
ナナミ「そうそう、全部! えーっと、マッチ売りの少女に、ウィリアム・テルに、オオカミ少年に、ロミオとジュリエット、それから決戦! ネクロードでしょ、後は帝国その愛。
1から順にやっちゃえばいいのよ! 一つの劇で4人くらいだから、30人もいれば十分に演技できるじゃない。」
リオ「そーだね……もしかしたら、全部やらないと特殊効果が得られないかもしれないし──うん、それじゃ、劇に協力してくれる人から、人を選ばないと。」
ナナミ「はいはい! それなら、レックナート様から一覧を貰ってるよ!」
スイ=マクドール:普段からの演技力を見るとおり、演技力は抜群であるが、ヒーロー役やヒロイン役をやらせると、やる気が無いことこの上ない。悪役や魔王役に関してのセンスはピカイチ。脇役に置くと、脇役を飲む可能性が大。
リオ:一通りの演技力はあるが、根が明るいため、シリアスな話になると台詞を言い切れないことが多い。敵役をやらせると、これ以上ないくらいの憎めない雰囲気を醸し出し、ほのぼのとした劇にしてしまう。
ナナミ:元気さがとりえの少女で、演技は棒読みに近いが、乗ってくると上々の演技力を発する。おっちょこちょいな一面があるため、か弱い役や悲しい話には向かない。しかし、観客受けはよさそう。
フリック:演技力とそのマスクで、なかなか好青年ぶりを発揮する。しかし、恋愛の話となると、めっきりどもりがちになる一面がある。
ビクトール:一通りの演技はこなすが、台詞を覚える気がないため、いつも適当にアドリブで済ませる。フリックと一緒の劇に入れては危険である。
ルック:やる気無し。台詞も覚える気もなければ、演技に参加する気もない。ただ、スイと一緒の時だけは、真面目に演技をせざるを得なくなる。
シーナ:一通りの演技をこなす、好青年ぶりから悪徳領主まで、どれも上々。ただ、可愛い女の子と一緒になると、つい目がそちらに。
フッチ:少し硬くて恥じらいがのこる演技をするが、生真面目に台詞を口にすることは忘れない。ただし、とあるメンツを一緒になると、昔を思い出すらしく……。
ハンフリー:台詞と演技は覚えていて、やる気はあるらしいが、台詞を口にすることはない。入れるだけ無謀。
カスミ:演技力はピカイチ。男役からヒロイン役まで一通りこなせる──ただし、とある人物と組むと、演技はど下手になってしまう。
シュウ:演技は上手いのだが、やる気は無い。女を口説く演技と、人を見捨てる演技に関しては、地だとしか思いようがない。
アイリ:上手い。男役から女役まで一通りこなせる。客受けも上々。
リィナ:上手い。女役をやらせると、観客の目は釘付けになってしまう。
ジョウイ:演技は上手いのだが、どこか悲壮感が滲み出てしまう。
グレミオ:演技をする以前の問題。本当はやろうと思えば上手いのだが、本人、演技をしている自覚が無いのが問題。
クレオ:演技力は逸品。ただ、女役をやらせてもサバサバしている。相手によっては、すばらしいヒロイン役になるらしい。
テッド:友情出演。300年の歴史から、演技力に関しては随一。でも、スイと組ませてはならない。
テオ:演技は出来ない。
カミュー:どの役もそつなくこなす。女受けは逸品。
マイクロトフ:どの役も取りこぼし無くコケル。けど、女受けはすばらしい。
ムクムク:動物にしてはなかなかやるが、台詞を口にできないのが難点。
オデッサ:演技に関しては、上等。ただ、時折とんでもないボケをする。
タイ・ホー:演技をする気は無いらしいが、とりあえず台詞は呼んでくれる。
ヤム・クー:いつもと同じ感じで台詞を口にしてくれるので、ムードは台無し。
メグ:演技というよりも、鉄砲玉。
ミーナ:ヒロイン役をさせると逸品。ただし、すべて踊りで演技してしまうのが難点。でも客受けは良い。
ジーン:マイペースに色気を振りまく。スイと組むと、劇を台無しにしてしまう。
レパント:演技力は皆無。シーナと組むと、別の劇になる。
アップル:演技はほどほどだが、恥じらいがのこっている。
マッシュ:悲壮なシリアスに関しては、ノリノリになるらしい……。
クルガン:上手いのだが、演技をする気はないようだ。
レオン:演技をする以前の問題。
シード:演技は下手だが、ノリと雰囲気は天下一品。
リオ「……なんか、普通じゃ参加できない人も混じってるけど……ここから決めたらいいわけだね?」
ナナミ「そーゆーこと! ということで、誰と誰を組ませるぅ?」
リオ「…………うーん…………こういうのは、みんなの意見を聞いたほうがいいと思うから、目安箱で募集するっていうの、どうかな?」
ナナミ「いいね、それ! うん、そうしよう、そうしよう。」
リオ「ということで! この劇にこの人使ってほしいー! というのがあったら、目安箱までどうぞー!」
ナナミ「お手紙、待ってまーっす!」