このお話は、「晴れときどきムクムク」の少し後で。
はっきりきっぱり、ジョウイ・2主×坊のお初モノらしいです。
息のあってる三人ぶりを楽しんで下さい(おい)




















きっと君とHappy Days




 彼――スイ=マクドールは、相当まずい状況になったと、今更ながら自覚した。
 膝の上に寝ていたムクムクが、眠そうに大きくあくびをしたのをきっかけに、ちょっとムクムクを休ませてくるねと、ソファを立ったのがついさっき。
 そして、中庭で夜の訓練をパーンとクレオ相手に行っていたナナミに声をかけて、客室にムクムクを寝かしつけて戻ってきたのが、今現在。
 ジョウイとリオに用意した客室のドアを開けて、そろそろお茶会もお開きにしようかと、そう言い掛けてドアを開いた瞬間――スイは、戻ってきた自分を後悔した。
 二人は、スイが出て行ったときと同じくらいきっちりと、スイの分の座り位置を空けて、待っていたからである。
 普段は仲が良くて――見ているこっちが照れるくらいの仲のよさを発揮するくせに、今の二人は、どこか違う。
「あ、スイさんっ! おかえりなさーい!」
 嬉しそうに、尻尾があったら振っているだろう笑顔で迎えてくれるリオは、弟のように可愛い。
「さっきのお話の続き、聞かせてください。」
 行儀の良い姿勢で、ニコニコ笑うジョウイは、弟弟子が出来たようで、これまた可愛い。
 二人がじゃれている姿を見ていると、まるで毛色の違うワンコが二匹、遊んでいるようで、これがまた、凄く、可愛い。
 それは認めよう。
 認めるのだけど。
「お茶、新しく淹れなおしたんです。」
 二人に促されるままに、元の位置に腰を下ろしたスイへ、ジョウイがホカホカの湯気の立つお茶を勧めてくれる。
 たっぷり蜂蜜を入れたハーブティは、少し癖のある匂いをさせている。
「僕もね、手伝ったんですよー。」
 ほめて、ほめて、と言いたげに左腕にじゃれ付いてくるリオに、微笑みながら、頑張ったね、と頭を撫でてやる。
 こう言うところは、弟というか、息子というか――本当に、可愛いのだけど。
「……リオ……っ。どこ触ってんの……っ。」
 ムクムクが膝の上からいなくなったとたん、スイの左腕に絡む右手とは別の左手が、しっかりと膝をなで上げている。
 これをセクハラというのだと、ぴしゃりと手を叩いてやると、リオは小さくむくれた。
「ムクムクは良いのに、僕はダメなんですかっ!?」
「リオの手は、意思を持って動いてるだろっ!」
 小さく睨みつけると、リオはすねたように唇を尖らせた。
 そんな彼の左手に、伸びてくるもう一つの手が、きゅ、と小さく甲をつねった。
「リオ! スイさんが迷惑してるだろ。」
 まったく、と言いながらスイの顔越しにリオを小さく睨みつける、ジョウイの手である。
 慌てて自分の手を引き寄せて、赤く腫れたような手の甲を見るリオが、ジョウイに抗議する。
「だって、スイさんに抱きついてると気持ちいいんだもん。」
 はっきり言おう。
 それは、抗議じゃない。
「それは僕も認めるけど、だからって、スイさんにべったりくっついて良いってことじゃないだろ?」
 まったく、と言いながら、ジョウイはどっかりとソファに背中を預ける。
 その拍子に、距離が先ほどよりもスイに近づいたが――たぶん、わざとではないはずである。
「うらやましいならうらやましいって言えばいいのに。」
 言いながら、スルリ……と、リオはスイの首筋に手を回した。
 そのまま、クイ、とリオの方へ首ごと引き寄せられ、スイは片手で自分の身体を支える。
「リオ……っ。」
 抗議の声をあげたスイの頬に、ちゅ、とわざとらしく音を立てて唇を押し付けると、スイが切れるよりも先にジョウイが切れた。
「リオっ! スイさんに何やってんのっ!!」
 ぐいっ、と、半ば乱暴な仕草でスイの肩を抱き寄せると、リオがズルリと着いてきた。
 そのリオの顔に自分の手を押し付け、無理矢理スイの顔から遠ざけながら、ジョウイは叫ぶ。
 ジョウイ君、助けてくれるんだ――と、安堵の思いを抱いたスイを胸に、思い切り良く。
「順番ってものがあるだろうっ!?」
 そう、リオに説教した。
「――――…………じゅんばん?」
 ジョウイの薄い胸板の中で、スイが小さく反復すると、未だしっかりとスイに抱きついていたリオは、
「あ、そっか!」
 納得したように、顔をあげる。
「ごめんごめん。まずは、お茶だったよね。」
「そうそう、まずは、お茶だよ。お茶。」
 そして、わざとらしいくらいわざとらしく、すんなりと二人揃って手を離してくれる。
 元のように両隣に二人を座らせた形で、スイはチョコンとソファに座らされ――ニコヤカなジョウイから、いい香のするお茶を差し出された。
「さ、どうぞ、スイさん?」
「ジョウイのお茶、美味しいんですよー。」
 ニコヤカに、二人から進められる。
 だがしかし。
 さきほどの会話を聞いていて、どうして素直に飲めようか?
「――――――……………………。」
 白い湯気のたつ、綺麗な色の、いい匂いのするお茶を前に、スイはジッ、と座っていた。
 そして、無言でお茶を睨みつけ、ジョウイとリオの顔を交互に見やる。
 ジョウイはニコヤカに――少し米神に汗を垂らし、リオはリオで、満面の笑顔で――ちょっと首筋に脂汗を浮かべ――――とっても、妖しかった。
 だから、スイは無言でカップを手にすると、
「あっ。」
 わざとらしく、がっしゃん、と零した。
 テーブルの上に染み渡る赤色の液体に、慌てた風を装って、カップを立て直そうとした瞬間、唐突にジョウイがそのカップを手にして、まだカップ内に残っていた液体を飲み干した。
 唖然とそれを見たスイの両頬を、不意にリオが背後から両手で包み込む。
 何を、と振り向こうとするが、リオの手に力が篭っていて、出来ない。
 そのスイへと、カップをテーブルに置きながら、ジョウイが顔を近づけてくる。
 間近に迫る端正な顔立ちに、視界がにじみ――ぼやけた目一杯にジョウイの顔が映り、合わさった唇を割って入ってきた舌が、無理矢理液体を注ぎ込んでくる。
「ン……っ。」
 それを避けようと顔をそらそうとするものの、リオのしっかり固定した手により、上手くなせない。
 頬の上から指先で歯列を割られ、顎を反らされ、思い切り良く開いた喉へ、液体が注がれていく。
「んぐっ。」
 逆らおうとするけれど、眉を顰める以外、何も出来ない。
 あがいた手は、手首ごとジョウイの両手に抑えられてしまう。
 何を、と、強い眼差しでジョウイを睨みあげると、閉じた瞼をそっと開いた彼の深い色合いの目とぶつかった。
 それと同時、ふ――と唇が離れ、空気に喉がむせる。
「ごふっ――。」
 小さく何度かむせた後、唇から伝った唾液を拭い取り、スイはジョウイとリオを睨みあげる。
「何を……っ。」
 すると、リオはあくびれた様子もなく、だって、とニコヤカに答えてくれた。
「スイさんったら、せっかく淹れたお茶を、わざとらしくこかしちゃうんですから。」
「お茶を飲んでもらわないと、せっかくの計画が台無しになっちゃうんですよ。」
 ジョウイも、いけしゃあしゃあとそんなことを言ってくれる。
「当たり前だろ! 計画だとか、あんな怪しいことを言われて、どうしておとなしくお茶を飲むと思ってるんだ!」
 まったく、とスイは言い捨てると、そのまま立ち上がって部屋から出て行こうとした。
 あのまま部屋に戻ってこなければ良かったのだと、怒りをにじませながら、ソファから降りようとした瞬間。
 ――くら……。
「……っ?」
 体が、傾いだ。
「な……っ、に……?」
 零れた声が掠れていた。
 胃が異様に熱くて、肺や喉が、ヒリヒリと痛み始める。
 何を飲ませたのかと抗議するよりも先に、喉が咳き込んだ。
「げふっ、……これ…………もしかして……っ!」
 体の奥がヒリリと痛むのを感じながら、スイが涙のにじんだ目でリオを睨みあげる。
 リオはそれを受けて、頬を赤らめた。
「……うーわー……ど、どーしよぉぉぉ? スイさん、すっごく、いろっぽーい!」
「何い……っ。」
 立ち上がろうとした瞬間、脚がグラリと傾ぐ。
 そのままソファに倒れこみそうになるのを必死で堪えようとするのだけど。
「無理しなくてもいいんですよ? 結構きつい、即効性ですから、コレ。」
 ニッコリと笑うジョウイが、チャプン……と、妖しい紅の液体を揺らした。
 ソレが何なのか、わからないスイではなかった。
「何考えて……っ。」
 小さく唇を震わせるスイの肩を、トン、と押すと、あっさりとスイの体が背中からソファに倒れた。
「〜〜〜〜っ!!」
 何か訴えようとするスイの口を、強引に自らの口で閉ざして――ジョウイは、ニッコリと綺麗な顔をほころばせた。
「リオと相談したんです。」
「僕もジョウイも親友同士だから、抜け駆けは止めましょうって♪」
 ぎし、とソファに乗り上げて、リオが上から覆い被さってくる。
 ソレが意図することに、スイの米神が揺れる。
「お前ら……っ。」
 まさか、と続いたスイの言葉を先取り、ジョウイは彼のしなやかで細い手に、そ、と口付けると。
「ええ、そうです。
 最初は、二人で分けていただくことにしました。」
 にこやかーに、とんでもないことを告げてくれた。
「………………っ!!」
 あまりといえばあまりなことに、言葉もなく絶句したスイへ。
「それじゃ、いただきます。」
 行儀良く手を合わせたリオと、
「一緒にね、リオ?」
 ニッコリ笑ったジョウイと。
「ふ、ふざけるなーっ!!」
 思わず右手の紋章を解放しそうになったのだけど、その手はあっさりとジョウイとリオの二人の手によって握られ――無理矢理、力を注ぎ込まれる。
 逆流する力に、痛烈な痛みにも似た熱さが走った。
 小さくうめいたスイの唇へ、リオの熱い唇が舞い落ちる。
「あんまり乱暴はしたくないから――。」
 そ、と掌が、薬によって熱が集まる場所へとあてがわれる。
 ぴくん、と肩を揺らしたスイが目を閉じた瞼へ、ジョウイの羽が触れるような口付けが落ちた。
「スイさん? 少しだけ、我慢してくださいね?」
「できる……かっ。」
 吐いた台詞は、すでに全身を覆いはじめた熱のせいで、上ずっていた。
 これじゃまるで、「熱くて我慢できない」といっているようだと、われながら思った瞬間――目の前のオスどもの目が、濃い性欲を宿すのを認めて……ああ、やっぱり勘違いされてる…………と、泣きたくなったのであった。






「あ……やぁ……っ。ん……んんんっ。」
 甘い声が喉をついてあふれ出ていく。
 後ろの蕾を出入りしている指がじれったくて、腰がうごめくのを止められない。
 それが恥ずかしくて、悔しくて、スイはきつく唇をかみ締めるのだけど。
「ダメですよ、スイさん。」
 あまい囁きとともに、指先で歯列をなぞられ、あっけなく解放してしまう。
 腰の奥から熱いうずきが駆け上ってきていた。
 熱くて熱くてどうにかなってしまいそうで、スイは何もしてないのにもれ出てくると息を噛み殺すことが出来ない。
「すっごく、中、熱い――ジョウイ……僕、もう……。」
 リオが、三本に増やした指を動かせながら、モジモジと脚を動かせる。
 その意図に気づいたジョウイが、いいよ、と頷く。
 スイが慌てて頭を振ろうとしたのだけど、頭の方から覆い被さるようにして乳首を舐めたジョウイの髪に、肌をくすぐられて喉を詰まらせる。
 それと同時、高々とあげられていた足が震え、リオの指先が抜かれた。
「ん……、っ。」
 そして、当てがわれる、熱い感触。
「――……スイさん、力、抜いてくださいね……。」
「だめ……っ。」
 小さい抗いの声は、甘い響きを宿してた。
 だからこそ、それはリオの行為への制止にはならない。
「ふぁ……あっ……っ。」
 抑え切れない声が、喉を震わせる。
 集まる熱が、脚を駆け抜け、ビリリと全身に走る。
 目の前が真っ白になるのを感じながら、スイは強く力を込めてシーツを握り締める。
 その手の上に、ジョウイの手が重なった。
「スイさん?」
 宥めるように落ちる口付けが、唇をはさみ、輪郭をなぞり――歯列を割って入ってくる。
「あふ……はぁっ。」
 含みきれない唾液が、つぅぅ……と唇の端から零れた瞬間。
「……っ!!!」
 衝撃が、下肢を貫いた。
「あ……あ、あああああっ。」
 堪えきれず、ジョウイの舌を噛んだ叫びが、零れた。
 ジョウイの眉がきつく顰められ、視線が下に落ちる。
「ごめ……。」
 息を詰めたリオの言葉に、視線だけ上げてジョウイは答えると、スイの頬を両手で挟んだ。
 そして、彼の歯の間に指先を割りいれると、歯をこじ開ける。
 ヒリヒリと痛む舌で、スイの柔らかな唇を舐め上げる。
「息を……吐いて。」
 囁く声が、感じやすい体になっている今の体には、辛くて。
 はぁ――……と、吐息が解ける。
 その瞬間、いやにリアルに中にある物を感じ取れて、スイは思わず息を詰めた。
「つぅっ……スイさん、痛い……。」
 つらそうな声で、ジョウイと頭を合わせるくらいの位置にあったリオの顔が、歪んだ。
 スイは、ぼやける視界でそれを認めて、そんなの知るか、と心の中で呟いた。
 けど、そう言ってもいられなく――何せ、自分も痛いのだ――イヤイヤながら、唇を解いて息を漏らす。
「あ。」
 とたん、思い切り良く力んでいたリオの体が、ぐっ、と入り込んだ。
「んん……っり……おっ……。」
 喉を反らせると、ジョウイが宥めるように降らしていた口付けが逸れて、喉元を滑った。
「リオ――……。」
 呆れたようにジョウイが目を上げるのに、微かに頬を赤らめたリオが、小さく「ごめん」と謝った。
「ごめん……じゃなくって――……っ。」
 あまりの衝撃に、涙すらにじんだ目で、彼を小さく睨みつけると、リオは困ったように眉を曇らせた。
 それが何を意味するのきあ――中で大きくなったような気のするものが、語っている。
「スイさん? あんまり挑発しないでほしいんですけど。」
 クスクスと、笑いながらジョウイがスイの頬をはさみこむ。
 そして、ついばむような口付けが、何度も何度も唇の上に落ちた。
 だんだんと執拗になっていくジョウイのソレは、彼がどれほど情欲を宿しているのか訴えているようで、たまらない。
 熱い体が重ねられる。
 背中でソファが悲鳴をあげている。
 汗で滑る体が上ずるのを、ジョウイがやんわりと押しとどめる。
 その彼の手が、だんだんと下へと下がり、口付けが喉を通り過ぎて、胸元をついばみはじめる。
「ちょ……っん……っ。」
 薬の影響か、意識が朦朧とするほどの刺激があった。
 少しの動きが、全身に走る疼痛を導き出す。
 リオの動きが、ジョウイの愛撫が、何もかもが刺激が強くて、眩暈がした。
 視界がジョウイの上半身で覆われ、暗くなる。
 見えない視界が、より一層の興奮を誘った。
「おねが…………も……。」
 懇願に、唇が震え、目の端を涙がこぼれる。
 リオの荒い息が、忙しなく乱れ初めて――……。
「――……っ。」
 一瞬、意識が飛んだ。
 









「つぅか、強姦だと、思うんだけど?」
 満足したげな二人の顔を左右に、ソファの上で何一つ身につけず、スイは忌々しげに呟いた。
「愛があるから、大丈夫ですよー。」
「愛があろうとなかろうと、嫌がるのを無理矢理するのは、強姦って言うんだよ。」
 げしっ、と思い切り良く蹴り落とすと、腰に鈍い痛みが走った。
 あいたたた、と腰を手で抑えていると、
「そんなに無茶した覚えはないんですけどね。」
 と、いつの間に用意してあったのか、ジョウイがぬれたタオルで顔を拭ってくれた。
 壊れ物でも扱うかのような、優しい手つきに、
 最中もこれくらい優しかったら、今、思い切り良く投げ飛ばせるのになー……と、思った。
 残念ながら、それを行おうにも、腰が痛いし、重いしで、どうしようもなかった。
 まだべったりと何かついているような気のする顔が、綺麗に拭われると、多少はさっぱりした。
「無茶した覚えがない!? お前ら、自分の体力考えろよっ!?
 両方がやりたい放題やって、それを一人で受けるこっちの身にもなれよなっ!?」
 叫んだ瞬間、リオが困ったような顔になった。
「そんなことないですよ? だから僕、ちゃんと三回で我慢しましたし。」
「………………いや、だからさ。お前ら二人で三回ならとにかく、そーじゃなかっただろ、って言ってるの!!」
 ばんばんっ、とソファを叩いたら、やっぱり腰に響いて、痛かった。
 思わず、再度腰を抑えて、上半身を倒してしまった。
「二人で三回なら、良かったということですか?」
 顔を覗き込んでくる、いやになるくらい秀麗な顔を一睨みして。
「そうだね……それならこっちの体力も残ってるから、君ら二人を叩きのめすくらいは出来たかもね……。」
 そう暗く呟いてやった。
 すると、頭の良い青年は、いけしゃあしゃあと笑ってくれた。
「ああ、だったら、一人三回で、ちょうど良かったわけですね。」
「…………………………。」
 このやろう、と思わず拳を握り締めた瞬間であった。
「とにかく……もう二度と! こう言うことは許さないからなっ!」
 ソファから落ちたリオが、ソファに顎を置いてスイを見上げているのに、整った指先を突きつける。
 ソファの背もたれごしにスイを覗き込んでいたジョウイも、ついでに睨みあげる。
 すると、二人の親友同士は、お互いの顔を見合わせて、ニッコリと笑った。
「もちろん、こんなことは、もう二度としませんよ?」
「だって、今度からは、抜け駆けアリですからね。」
「………………………………。」
 それって、つまり?
 嫌な予感がして、指先を震わせたスイへ、二人は、示し合わせたように、揃って答えてくれた。
「今度からは、単独行動でスイさんを狙うことになってるんです。」
「――……だから、狙うなって言ってるんだけど?」
 目を閉じて、体を震わせてそう告げたのだが。
「それは、無理です。」
 二人は、同時に身体を伸ばして、スイの頬に左右から口付けると、きっぱりと、そう言い切ってくれた。









腐った乙女な世界にようこそvvv

さらに後日談として、グレ坊編があったりしますが、とりあえず、それはさすがにまずかろうと思いまして、書きませんでした。
ふぅ、ヤレヤレ。
途中、シーンをぼかして削りました。
だって、書いてて恥ずかしかったんだもん。
描写が細かくなると、長くなるんだもん。

――……つぅか、こんな企画の裏とか書いてる暇があったら――……以下略……――。




「あれ? ぼっちゃん? 今からお風呂ですかー?」
「あー? うん、ちょっとねー。汚れちゃってさー。」
「? え? でも、今日はお外にも行ってませんでしたでしょう?」
「…………………………ま、そーなんだけど。思いもよらないところで汚れたというか。ぶちまけられたというか。」
「あ! もしかして、お茶でも零されたんですかっ!?」
「――――…………大丈夫、熱いわけじゃないし。人肌人肌。」
「火傷はしてないんですね。それならいいんですけど――あ、それじゃ、片付けませんと。リビングですよね?」
「いや、ジョウイ君とリオがしてくれてるから、大丈夫。」
「お客様にそんなことさせるなんて……。」
「いいの! あいつらのせいで、汚れたんだからっ!!」
「……はぁ……。」
「そのうえ、僕の汚れまで拭ってやろうとか笑顔で言いやがったぜ、あいつらは! ったく、冗談じゃないっつぅの。
 この上、お風呂場で美味しく頂かれてたまるもんか……っ。」
「ん? ぼっちゃん? 何かおっしゃいましたかー?」
「なぁーんにもぉ? ただ、グレミオの顔見てると、安心するなぁ、って思っただけだよ?」
「ぼぼぼ、ぼっちゃーんっ!」
「わーわーわーわーっ! 抱きつき禁止ーっ!!」
(ダッシュで逃げる)
「ぼっちゃーん……………………後で、タオルお持ちしますね〜〜〜〜。」

「やっぱり、ライバルはグレミオさんか?」
「うーん、微妙だと思う。だって、グレミオさんもスイさんも、じゃれてるだけみたいだし。
 僕とジョウイみたいなもんだと思うけど。」
「グレミオさん、天然だしね。」
「そうだね。」
「ってことは。」
「目下のライバルは――……。」
「ナナミか。」
「ルックとシーナもだよね。」
「あとは……――。」
(はもって)
「「レパント大統領っ!」」
「…………………………。」
「…………………………。」
「は、ないか。」
「アップルちゃんの書いたフィクションの読みすぎだね、僕ら(笑)。」




アップルちゃん著。
は、腐女子向け「著作」からどうぞ(笑)v